胸郭出口症候群

 

『手が痺れるのでつり革をつかめない』

『洗濯物を干す時に腕から手にかけて痛みやだるさが出る』

『手が痺れて洗濯物を干すのも億劫だ』

『最近疲れが溜まりやすくなった』

『物を握る動作がしづらくなった』

『指先に痺れを感じる』

『肩から指先に血流が回っていない気がする』

 

あなたは最近、手先が痺れたり、腕が重たく感じるなどの症状でお悩みではありませんか?

もしかすると、胸郭出口症候群という聞きなれないものかもしれません。

聞きなれない方も多いかと思いますが、その症状、胸郭出口症候群というものかもしれません。

胸郭出口症候群とは、肩から腕にかけての上肢の痺れ、指先の痺れ、肩甲骨周りの痛みなどの症状を総称したものです。

バスや電車でつり革を掴んだり、洗濯物を干す際などに特に痺れや痛みが増すとも言われています。

首や肩周り、腕の周りの神経や血管が何かしらの原因によって、圧迫されることで、しびれや痛みが出てきます。

首から鎖骨にかけては特に神経や血管が集まっているので、圧迫により痺れなどが誘発されやすい箇所となっています。

主に障害される部位として、鎖骨下動脈、鎖骨下静脈、腕神経叢、が挙げられます。

胸郭出口症候群は色々な原因で起きる症状の総称ですので、いくつかの種類があります。

胸郭出口症候群というのは、起きる原因は決して一つだけではありません。

これから説明いたします。

 

胸郭出口症候群には4つの種類に分類されます。

主なものは

1、斜角筋症候群

2、過外転症候群

3、肋鎖症候群

4、頚肋症候群

です。それぞれ説明していきます。

 

1、斜角筋症候群

第一肋骨、前斜角筋、中斜角筋で構成される、三角形の神経や血管の通り道の事を、斜角筋隙と呼びます。

その斜角筋隙を通過する神経が圧迫、牽引されて起こるものを斜角筋症候群と呼びます。

握力が低下したり、手の薬指や小指に痺れが起きることが主症状とされています。

なで肩体型の女性の方が特に発症しやすいとされています。

もちろん男性も発症します。

 

2、過外転症候群

過外転症候群とは、肋骨と小胸筋の間を通る腕神経叢という神経の集合と鎖骨下動静脈が肩を外転したときに、圧迫されることで、肩から手先にかけてしびれや痛みが起こる症状です。

具体的には、手をあげる動作、例えば電車のつり革につかまる時や高い所のものを取る動作などです。

こういった動きをした際に、肩から腕、手先にかけて、痛みや痺れが起きます。

小胸筋という筋肉が付着している部分が肩の外転動作をした時に、血管や神経を圧迫することで起こる症状です。

 

3、肋鎖症候群

第一肋骨と鎖骨が形成する隙間を通る神経、動脈静脈などが何らかの要因によって圧迫されて起こる症状のことを肋鎖症候群(肋鎖関節症候群)と言います。

 

4、頚肋症候群

頚肋症候群とは、第7頚椎の横突起と呼ばれる部分が先天的に変形している方が、起こりやすいものとなっております。 珍しい症状ではあるのですが、この症状も胸郭出口症候群の内の一つとされています。

 

 

 

胸郭出口症候群は障害される部位などによって、名称が変わりますが、なぜ血管や神経が圧迫されてしまうのか。

一般的にはストレスや不規則な生活習慣、姿勢の悪さ、内臓の疲労、加齢による骨や関節の変形など様々なことが原因だと言われています。

しかし、なぜ圧迫されるようになったかはハッキリと解っていないのが現状です。

起こりやすい年代としては、20〜30代、女性に特に起こりやすいものとされています。

特に症状が出やすい方の特徴としては、なで肩や猫背といった体型の方は、起こりやすい傾向にあるようです。